すきかって。

自由気ままに思うままに書くブログ。

いいこと尽くしの毎日に完敗。

 

昨日ぶりですね。

素早い更新でびっくりする方も多いかと思います。私もびっくりしています、夜中の投稿のいかに誤字脱字の多いことかを。直すのは気分が乗ってからにします…面倒くさがりで申し訳ない。

で、この度お話ししたいのが、以下のお話し。

 

(※一部ネタバレ注意!!)

comic.pixiv.net

 

①永田カビさん『一人交換日記』(Pixivコミック)

 面白い(興味深い)レベル:★★★★☆

 彼女を知るきっかけとなった作品は、『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』。確かツイッターピクシブでかなり話題となっていた(ような気がする…記憶が曖昧で申し訳ない…)&タイトルそのものに惹かれたので、「よし読んでみよう」と手に取ったんですよね。結構遠い記憶だな…懐かしいや。

 で、読後感が(私的には)最高でした。「ああ、考えさせられるなあ」という感じ。

 こういう作品が、もっと作られてほしいなと思います。人の想像力だとかを刺激するような物語。「スカッとするね!!はい終わり!!」的なストーリーを好む方もいますし、かく言う私も時折「何も考えずに楽しみたいでGOZARU…🐵」となる時もありますが、基本的に触発してくれる系の方が読んでいて楽しい。だって、自分で新しい物語を作るきっかけになるし、自分の生活でも学びとして活かすことができるから。私が小説をたくさん読むようなになったきっかけも、この両者、特に後者が理由です。

 本を好きな人、物語が好きな人っていうのは、自分の知らない世界だとか知識だとか知恵を強く求めている傾向にあるような気がします。何か自分の日常を楽しく、穏やかにしてくれる知識を求め、時には安らぎを求めて、本を読む。本というのは謂わば「助っ人」なのかもしれません。その一方で、本を読まない方々というのは、日常生活が割合充実している。私の周囲でも”リア充”と呼ばれている人々は、(少年漫画系のコミックは読んでいる人も一部いますが、)あまり本を読んでいません。要は、自分自身の人間関係の中で、すでに学びを得ているか、小難しく気取った学びなんてものがなくとも難なく楽しく過ごせてしまうのではないでしょうか。どこでもソコソコとまどってしまう私からすると、うらやましいです。

 で、そんな風に「学びがほしいなあ」と思って本を読んでいる方々の中でも、すこーし物事を深く突き詰めて考えがちな方になんかは共感したり、感動したりして、読んでいけちゃうのが『一人交換日記』。

 

 (※以下、特にネタバレあり!!要注意!!)

 簡単な解説を私風にさせていただきたいと思います。では以下をどうぞ。

~作品解説~

 寂しさが限界突破した末に行った”レズビアン風俗のレポ漫画”の作者・永田カビ氏。今作はエッセイ漫画家として、彼女の布団にくるまって泣きじゃくるほど、寂しくて切ない、実家にまつわる葛藤の日々を赤裸々に描く。

 

 という感じの、永田さんご自身の悩みごとに満ちた日々を描いていらっしゃいます。

 で、その中でも、私の場合は、特に第5話が衝撃でした。

「思うんですけど、『幸せ』って要するに、『今、この世にある不幸を無いものにすること』ですよね。」

 「えっ!?!?! あっ、そうなの!? あっ、そうか!! そうだね!?」

 これは、私にとって最近知った最大の学びです。「なんとなく分かっていたのに、無意識に、もしくは意識的に見ないふりをしていた現実」のような気もします。こういう風に、自分を見つめなおしたことがなかったので新鮮でした。そして、

 「両親の犠牲のうえに、子どもの幸せが成り立っている。」

 この言葉の意味を改めてしっかりと理解できました。なんてったって、私は両親に死ぬほど迷惑をかけて、進学と就活をしてきた身なのですから。なまけ癖の強い私に、この教訓がどれだけ影響を与えるのかはわかりません。しかも永田さんのいう意味とは結構ずれているでしょう、けれども、いい教訓として私の心にしっかり残るだろうことは間違いありません。永田さんに、心の底から感謝致します。

 ちなみに、私と私の母の「幸せ」の定義は、「不幸せな出来事とないまぜになった状態だからこそ、より一層際立つ楽しいこと、嬉しいこと」です。なんだか永田さんとは真逆的な発想ですね。この差は、おそらく、自分と周囲の関係を「重要な人間関係」「そうでもない人間関係」に(かつては無意識のうちに)振り分けて選別を行ったうえで交際する私たちは、「重要な人間関係」での葛藤や悩みなども交えて、人と関わる楽しさと嬉しさにのみ注目していることに起因しているのかもしれません。永田さんの場合は、全く知り合いでもない人々との間にも思いをはせている。なんだか自分の対人感覚がとてつもなく冷たいようにも思えますが、如何せん器用ではないので、こうやって人間関係を含むすべての物事の良し悪しをしっかり見定めたうえで、集中度を変えずにはいれないのです。大事だと思う人とは長くしっかりとした付き合いを、そうでもなければ最初からそれなりの付き合いしかしない。こうやって整理しなければ、私はきっとパンクしますから。

 というわけで、家庭の事情(永田さんのご家庭ほど複雑ではないですが…)や感覚的な部分が少し似るところがあっても、全く価値観の違う人。そういった永田さんのような人々から、たくさんの刺激を受けて、日々よりグレードアップした人間となり、いつかはふるい分けをしなくても大丈夫な人になりたいです。というような思いを抱く人に今作はめっちゃおすすめです!

 では、今日はここまで。また!