早速。
ここのところ、いろいろな本を読んだので紹介を兼ねて書きます。
※一部ネタバレ注意!
①小野不由美さん『鬼談百景』(角川文庫)
・個人的面白さレベル(5段階評価):★★★★★
「久々に怖い話が読みたい。ドロドロでめちゃめちゃな感じのやつ」
と思い、手に取りました。ドロドロでめちゃめちゃではないですが、ゾクッとくる怖さがあり個人的には大満足です。久々にホラーに回帰するきっかけとなりました。
内容は、ずばり怪談話全99話! それぞれが独立した話であり、登場人物も語り手も異なり、舞台も学校、夜道、山奥など、さまざまです。言い換えるならば、「本当にあった怖い話」の小説版といったところでしょうか。
時折、拍子抜けするようなカワイイ怪談もあり、始終「なんとなく背後が気になるゾ…ゾクゾクするぞ…夜中トイレ行けない…」といった心配をしなくてもいいので、家で一人ぼっちでもたいていの人は読めそうです。(「緩急をつけた怖い話の読み方」もあるとも発見!)
(※一部ネタバレ)
ちなみに私一番のお気に入りは「雨女」です。
雨降る帰り道、傘をさして歩いていたら、後ろに気配を感じて、ちらりと見れば綺麗な女の人の足が見える。なんか、もうこの時点で怖いんですけど、突如、その女の人が隣に来てて、傘の下からのぞき込まれたらビビるビビる。普通にビビる。ここではマジの幽霊がやってようですが、「これ人間だったらもっと怖くね…?」とも思いました。
てな感じで、いい感じにトリハダ系話が揃ってます。
直後に、フレデリックの「オンリーワンダ―」(ロック?です)を聴いて、気分和ぎらわせるとちょうど良いかもです。
フレデリック「オンリーワンダー」MusicVideo / frederic“ONLYWONDER”
稲川淳二さんのあとがきがあったのも高評価の一因です。
②木原浩勝さん『九十九怪談 第七夜』(角川文庫)
・レベル:★★★☆☆
「…は?」
読んだ感想はこれです。「え…?(笑)」でもいいかもしれません。
ホラーでも怪談でもなく、最早笑い話です。※一部ネタバレしますと、下着とる幽霊とかが出てきた瞬間、吹き出しました。一切怖がれなかった…。それが終始続きます(基本)。いっそ爆笑して読めるホラーという新ジャンルなのかもしれません。
上の小野さんの作品から怪談小噺集読みたいと思って買ったので、なんか違った(笑) ということで評価は低くなりましたが、「期待を裏切られてムカムカ」とはしなかったです。いい意味でいろいろ期待を裏切ってくれた話があったですかね。
あと、すごく読みやすい。小中学生も難なく読めると思います。最近の子はきっと保護者に怪談を聞かされることも滅多にないでしょうから、はじめてのホラーとしておススメです。「怪談こわいよー読めないよーふえーん(´;ω;`)」というタイプの方も読んでみてください。
ちなみにこれを読んだときは、カノエラナの「恋する地縛霊」を聴いてました。なんだかしっくり来るんですよね~。ポップ感かな?
カノエラナ/“恋する地縛霊”ミュージックビデオ Short Ver.
今回はここまでです。さようなら、また今度。